英国。色々あるけど住んでます。

イギリス生活の日記とか回顧録みたいなもの

ロマンティックが止まらない

昨日に引き続きはっきりしないお天気の朝。

これぞイギリスって感じの曇り空で、早くも夏が恋しくなってます。

お天気が悪くて鬱になってしまうこともありますし、夏目漱石もどうやら留学中は鬱傾向だったようですが、おかげさまで繊細さのかけらもない私は今日も元気です。

雨に濡れた歩道の落ち葉なんかを眺めながら、だいぶ前にあったフランスでの出来事を思い出して空想世界の旅に出たりしてます。

それはまだ子供がいなかった時のこと。

友人たちと一緒にフランスの田舎にコテージを借りて年末を過ごそうということになりました。

大きめの家を借りられるので4組8名で繰り出すことになりましたが、1組は車を持っていないので、ユーロスタードーバー海峡を渡ってローカル線で最寄り駅まで来たらうちの車で迎えに行くことに。

一番最初に我々がついて、その次に身長差カップルが到着。電車カップル到着予定時刻までは半日近くあったので、うちの車にみんなで乗り込んでちょっと近所をドライブして時間を潰そうということになりました。もう1組は一日遅れの到着予定だったので家も開けられるし。

食材を買っておいたり、後日立ち寄れるカフェやパン屋さんを探しておきたかったので一通りぐるっと回って、2時間くらいは費やしたんじゃないでしょうか。

そろそろコテージに戻って電車カップルさんの送迎の準備をしないと、ということになり帰路につくことになりました。

車まで歩いて戻る途中、用水路に沿った並木道がありました。

小さな橋、色とりどりの落ち葉。

そりゃもうシャンソンかなんかが蓄音機から聞こえてきたら完璧なシチュエーションですよ。

身長差カップルさんは実はまだ付き合い始めてそんなに間もなく、このおあつらえむきのロマンチック加減に彼氏の方がハッスルしちゃって、彼女と二人きりで散歩をしたいと言い出しました。

でも電車組のお迎えもありますし、だったら君らはこのまま散歩に行って、電車組をピックアップした後で迎えに来ようか?と提案したら、それだとなんだかんだで2時間くらいかかっちゃってさすがに寒いから嫌だ、とかぬかします。

1時間で戻るから車で待ってて、なんてものっすごいワガママ。

電車組の一人は先週まで風邪をひいていたそうですし、二人ともフランス語はできません。

タクシーを利用しようにも、ど田舎ですから駅前に客待ちのタクシーなんているわけもなく、土曜の夕方のフランスの田舎、店はもう閉まりはじめていて助けを期待できません。

それを言うと、彼氏君の口からワガママの極みが飛び出しました。

「That’s not my problem, they should find their own way out.」(そんなん俺の知ったこっちゃないし、自分らでどうにかするべきだろ)

…そのセリフ、のし付けてお返しいたします。

「Exactly!(その通りだね!)」と一言返して、私はそのまま車に歩いて行きました。

状況を察したオットに一緒に来るか残るか自分で決めてねと伝えると、身長差カップルも理解したようで何も言わずに車に乗り込みました。

その後彼氏君の方は休暇中一度も私と会話しようとしませんでしたが、オットには「お前の嫁の言うことにも一理ある…」とちょっと反省を見せていたようです。

いまだにそのことについて直接謝ってもらってませんが。

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