ネット上でよく「イギリスと言えばマズイご飯」というステレオタイプなネタを見かけます。
当たり外れの振り幅が大きいのは事実ですが、最近はちゃんと美味しいお店もたくさんあるんだけどなぁ。
少なくとも、観光客向けだったりファストフード的なお店はそんなに美味しくないのは世界中どこでも同じだし、美食の街パリでまっずいご飯を出す店に当たってしまったときには心底がっかりしましたもん。
そしてイギリス料理がマズイというのを揶揄するように添付されている画像は大抵「Stargazy Pie」という、イワシがパイ生地から空に向かって頭を出している料理です。
実はついさっきまでこのパイはネットの上のネタだと思い込んでいましたが、実際のところどうだろうと英語で検索をしてみたらちゃんと存在する料理でちょっとびっくりしました。>>こちら
だっていろんなパブに行ったことありますが、メニューでこれを見つけたことがなかったんですもん。
記事を読んでみたら、どうやらコーンウォール地方のMouseholeという港町が飢饉に見舞われた際に、とにかくみんなで食べられるようにと漁師さんが勇敢に漁に出て捕まえてきた魚で作ったのが始まりで、それを記念して12月23日に漁師さんの名前をとった「Bowcock’s Eve」としてThe Ship Innというパブで無料で配られるようになった、と最初の方に書いてあります。
郷土料理でしかもそんな英雄譚っぽい理由があるから他のパブでは売ってないのね、としみじみ。
ところが記事を読み進めていくと、この港町に半世紀以上住んでいらっしゃるおじいちゃんが、実はパブを経営していた嫁の友人が客寄せメニューが欲しいって言うから彼女が作ったんだよね、と笑顔で告白しています。
せっかく感動したのに!と思いつつ、悪友同士の悪ノリが美しい物語つきの伝統になっちゃったから、それの罪滅ぼしも兼ねて無料で提供してるのかな?なんて。
記事でも「飢饉なのにパイの材料であるイモと小麦粉と卵はどこからきたんだ?」ってツッコミもあって、言われてみればそうだよなぁ、と、別のしみじみです。
というわけで、Stargazy Pieは実在はしていて由来については伝説を少々捏造しているものの、イギリス全土で食べられたり作られているものではない、ということをこっそりここでタレこみしておきます。
↓小学校を思い出す…↓