英国。色々あるけど住んでます。

イギリス生活の日記とか回顧録みたいなもの

レアキャラ、ゲットだぜ (2)

それは私がまだロンドンの北のはずれに夫と二人だけで住んでいた時のことです。

車通勤の私は、高速道路の渋滞を避けるため高級住宅街を通り抜けるルートを毎日走っておりました。

運悪くその日の帰宅時は裏道の方も若干混んでいて車の流れがかなり遅く、本線?に合流したい車で脇道の方も混んでいるような状態でした。

とりあえず流れに従ってある程度の車間を取りつつのろのろと運転していたら、助手席側のどてっ腹に車が刺さってくるという最悪の展開に。

どうやら右折したかった車が合流先の車の流れしか見ておらず、右から来ていた私の車を見落として突っ込んできたようです。

ひとまず車を脇に移動させて被害状況を見てみると、お互い渋滞中で速度がなかったもののドアがぺっこり凹んでいます。

相手の保険会社の連絡先とか聞かないといけないのでドライバーに目をやると、恐らく免許取りたてであろうティーンの女の子がわんわん泣いています。

泣きたいのはこっちだという感想は飲み込んで、おばちゃんとしては冷静に対応しようとまずは怪我がないか声をかけました。

相手の車はフロントバンパーが落っこちていて、助手席では彼氏と思われる男の子がどこかに電話しています。

私は自分の名刺を出して私用携帯電話の番号を書き添えて彼女に渡しました。

すると彼女は「なんでこんなに冷静でいられるのよ?いっつもこんなことしてお金稼いでるんでしょ?!」と半狂乱。

いや、突っ込んできたのはお嬢ちゃんでしょうが、と思いつつ、仕事の関係でこういった事故対応などもしているので、とイラっとしつつも声を荒げないように気をつけて回答していたら、恐らく自宅がすごい近所だったんでしょうね。

親御さんが駆けつけてきて娘をかばうように立ちはだかりました。

怖かったでしょ?もう大丈夫よ、と娘を抱きしめて慰めるお母さん。(私が悪いこと前提)

そしてこちらには目もくれずに娘の車の写真を撮り始めるお父さん。(怒ってるぞオーラ全開)

こっちの車の写真も撮った方がよくないですか?と声を掛けると「黙れ薄汚い(東洋人差別用語)め、何言ってんのかわかんないんだよ」みたいな、もうここに書けないようなすんごい回答をいただきまして。

ここでようやく保護者からも「キレていい」というお墨付きをもらったようなので、相手の保険会社の連絡先だけひっつかんでそのまま警察署に行き、事故証明と人種差別があったことの報告、そして修理屋に行って見積もりを取り、保険会社にことの一部始終を報告しました。

保険会社の見解は、こちらが優先道路のため相手が100%悪い、というもので私の意見と一致したので後の処理は全面的にお任せし、散々会社でもグチって慰めてもらいました。

そしてそんな記憶も薄れかけて平和な日常を過ごしていた頃、保険会社から返金のお知らせが届きました。

更新の際に保険料は前年と変わらなかったしなんのことやら、ということで電話をしてみると、例の事故で相手がずーっとゴネてて念の為前年と同じ保険料をもらったけど、自分で裁判起こして自滅したからこの案件は終了となり差額分をお返しします、ということでした。

そりゃね、ティーンが事故起こしちゃったら記録が残ってその先ずっと保険料が高いままで大変なのはわかるけど、1年近くもゴネまくっていたという事実に驚愕しました。

そして「勝った…!」とほくそ笑む私でした。

↓ ♪ドナドナドーナドーーナーーー♪ ↓