英国。色々あるけど住んでます。

イギリス生活の日記とか回顧録みたいなもの

イギリスのリフォーム事情

記事を見失ってしまったのですが、イギリスの住宅事情についてのお話だった記事がありまして、それについていたコメントが「イギリスやヨーロッパって、おんなじような外観の家が並んでて面白みがない。日本のようにオーナーの個性が見える建物のほうがいい」ってのがありました。

だがしかし。

日本も昔々は同じような外観の家が並んでたじゃないですか。
京都の町屋なんてその典型ですし、白川郷とかだって合掌造りの集合体なわけで。
木造だから長く残らないのと、災害だなんだで焼けちゃったりして、そこから急ピッチで復興したら現在の街並みになったわけじゃん。(異論は認める)

どっちがいいかは見た人の感想だし優劣がつくような性質のものじゃないでしょうけど、イギリスの場合は石やレンガで作られた家だから長く残ってるし、その長く残っている景観を保護するために、家の拡張をする場合は建築法云々のチェックのみならず外観についても自治体の許可が必要になってくるので、無秩序にアレコレができるわけじゃないんですよ。
というか、日本のように新築が好かれることはなく古い家の方が人気なので、結果的に「オーナーの好みで新しく建てる」ってのはかなりマイナーですね。

イギリスは寒いので北海道と同じく2重窓が主流なのですが、景観保護に厳しいエリアの場合は昔ながらのガラス1枚の窓でないとダメ、ってところもありますし、なんなら玄関ドアの材質や色ですら指定が入る場合もあります。

道路から見える外観については厳しくても、家の裏側の方はそこまで厳しくないので申請は通りやすいのですが、実はここに伏兵が潜んでまして。
家の表だろうと裏だろうと、とにかく拡張工事をする場合、同じ通りにある家に「XX番地の家について、これこれこういう工事をしたいと申請が出ましたが異論はございませんか?」と行政から連絡が来て、一定期間のうちに反対意見が出てきた場合、それを解消する対策を取らないと工事は開始できないんです。

オットの友達が庭にいわゆるサンルーム(Conservatory・コンサバトリー)を作ろうとしたんですが、結局諦めて別の街に広い家を買って引っ越したということもありました。
反対してきたのはお隣さんで、その理由が「隣の家が拡張して広くなったら我が家の価格が下がるから」という利己的だけどわかりやすいもので…
これはあくまで嫌がらせレベルの反対意見ですから行政の承認はおりましたけど、そんな話が隣人から出てきたら落ち着いて住めないですからね。
逃げるが勝ち、です。
っていうか、友達宅の資産価値は上がるけど、隣人の方は最悪でも現在のままで下がるってことはそうそうないんですけどね。

うちの屋根裏の工事はExtensionじゃなくてConversionで、外からの見た目に変化はないし、居住スペースを作るわけでないので行政の承認も隣人の許可も不要です。

↓手作り「キッド」…?↓