英国。色々あるけど住んでます。

イギリス生活の日記とか回顧録みたいなもの

Bend it like Beckham

またまたラグビー絡みで思い出したことなんですが、日本チームと戦って勝利を収めた南アフリカの、そんなに遠くない過去にあったというお話です。

これを教えてくれたのは、以前勤めていた会社にいた営業のおじさんです。

彼は若い頃、家族を連れて南アフリカに海外赴任して長いこと住んでいたという人で、まったく悪い人ではないのですが、割と話がループしたりギャグが寒かったりで、同じ部署の女性社員からは煙たがられていた人でした。

私は別の部署でしたし、たまに給湯室でコーヒーを煎れる間に喋るのは苦ではなかったので話を聞いていたら結構気に入られてしまって、ちょくちょくいろんな話をするようになりました。

彼によると、南アフリカ在住時に、彼の娘さんがサッカーをしたいと言い出したそうです。

当時はアパルトヘイトが行われていて、女子サッカーチームがあったのは黒人居住区のみでした。

私はアパルトヘイトについては「黒人が居住地を制限されている」ということを習っただけの知識しかなく、無知ゆえに「遠征試合の時とかどうするんだろう?」というトンチンカンな感想しか出てきませんでした。

彼の話によると、白人が黒人居住区に入る場合も行政の許可が必要で、でもその許可を取ろうとする白人は何か仕事絡みでない限り滅多にいなかったそうです。

そんなところに「サッカーがやりたいから」という理由で白人の女の子が立ち入り許可を申請したもんですから、お役所は上に下にの大騒ぎに。

最終的に「何が起きても自己責任」というような書類に署名をさせられ、ようやく許可の方はおりました。

しかし、サッカーチームの方も白人の受け入れは初めてで、チームメイトと言えども敵状態。

パスが来ないどころか、誰も話しかけてもくれない状態がずっと続いたそうです。

それでも娘さんは黙々と練習をして通い続けていたので、地元でも悪い意味で有名になり、白人側からも白い目で見られるようになってきてしまいました。

ある日、練習のために居住区入り口の検問?で許可証を見せた所、警備の白人男性が心ないことを娘さんに言ったそうです。

具体的になんと言ったのかは語ってくれませんでしたが、アレは子供に聞かせる言葉じゃない、とは言ってました。

それを聞いていた黒人側の警備の人からサッカーチームの子へ話が伝わり、彼女自身が迫害を受け始めそれでもサッカーを続けているという姿勢が認められ、そこから少しずつわだかまりも解けていった、という話をしてくれました。

このおじさんの話は割と眉唾物が多いので今回も騙されてるかもしれませんが、どうでしょうかね。

感動モノではあるんですが、Bend it like Beckhamって映画と内容がカブってるような気がしないこともなく…騙されたかなぁ?

↓私むけのサッカー↓