オットは日本で英会話講師をしておりました、としつこく書いていますが、もうすでに周知の通り英会話講師には当たり外れがあります。
なので、私が知り合って印象に残っている人たちを列挙してみようと思います。
渋谷でホームシック
ヨークシャーの田舎からやってきたサム君は、人生のほとんどを地元で過ごし、行ったことのある大都会はマンチェスターが最大規模という純粋培養な人でした。
英会話講師として来日し、初めての日本での週末にはオットと一緒に観光案内をしようということになり何に興味があるか聞くと、有名なあの渋谷の交差点を見たいと言われました。
上から人の流れが見えるように井の頭線の連絡通路に連れて行き、最初のうちはサム君も喜んでいたのですが、振り向くといきなりハラハラと涙を流し始めました。
「こんなにたくさんの人間が一か所にいるのが怖い…おうちに帰りたい…」
その後はずっとシクシク涙を流し、誰もとって食ったりしないからと慰めて1日が終わってしまいました。
そのクセ1ヶ月もしないうちに日本人の彼女を作りやがって、それから彼女を取っ替え引っ替えして5年も日本に居座ってました。
ジャック君の転職
シャイ故にぶっきらぼうで筋肉が親友のジャック君ですが、ハチ公の話に涙するような純粋な心の持ち主です。
しかし見た目のイカつさから、ちょっと悪めのお誘いが続いていてうんざりしておりました。
そんな日々の中でもちゃんと彼女ができ、結婚を視野に入れはじめた真面目なジャック君は、日本の習慣に則って彼女のご実家へご挨拶へ行きました。
彼女は米所出身でご実家もお米を作っていて、言葉の関係でコミュニケーションがうまく取れなかったのですが、筋肉にモノを言わせて農作業をお手伝いしたことでご家族から大変気に入られました。
ジャック君も「これがオレの天職だ!」と開眼し、嫌がる彼女を説得して結婚と同時にマスオさんとして今日も軽トラを運転しています。
フーテンのティム君
この人は詳細が謎なんですが、なんか出会ったときにはもう日本で10年くらい暮らしていて、日本のあちこちで英会話講師をしながらフラフラしていた人です。
ホームレスの人と仲良しで一緒に空き缶回収をしていたり、キャベツやほうれん草、みかんの皮を刻んで乾燥、ブレンドさせてタバコがわりに吸っているような謎のヒッピーです。
ある日、駅前のコーヒー屋さんに入ったら、ティム君と日本人女性がいました。
不定期で個人英会話レッスンもやってると言っていたので多分それだろうなと声をかけずにいたのですが、ティム君が私に気がついて、その途端に何やら目が泳ぎはじめました。
こちらはレッスンの邪魔をするつもりはないので笑顔で手を振って終了のつもりだったんですが、ティム君はテーブルの上の封筒を隠すように鞄にしまいました。
それから数ヶ月ティム君を見かけることがなかったのですが、また旅に出ていたと後日聞かされました。
アレ、実は「お小遣い」をもらってるところだったそうです。
ティム君が一緒にいた人は、ティム君が他の女と話ているところを見ると、ただの挨拶だろうと激怒するタイプの女性だったので焦ってしまったとのことでした。
需要があるからこういう人たちもいる、というお話でした。
まだまだシリーズ物で続けますよー。
↓セットでお届け↓