英国。色々あるけど住んでます。

イギリス生活の日記とか回顧録みたいなもの

うぶめ

最近立て続けに嵐だったり低気圧の襲来だったりでお天気が崩れがちでしたが、久々の晴天だったので気合を入れて徒歩で町までお買い物に出かけました。
天気がいいとは言ってもやっぱり寒いんですけどね。

11月に入ると、ガイフォークスだったり、ディワリのろうそくや花火の準備に追われる人たちでそこはかとなく町に落ち着きがなくなる気がしてます。
ピークはもちろんクリスマスイブのスーパーマーケット。
”No Go Zone”(立入禁止区域)として個人的に指定するくらい殺気だってるから。
ママさんWhatsAppでは「クリスマスのスーパーの配送指定予約は申し訳ないけど私が奪った!」と早くも宣言してる人もいるくらい気合を入れてらっしゃいます。

そんなことを思いながら教会の庭を通過していたら、ガチョウに囲まれて手に持ってるおやつのカツアゲにあってるちびっことか、カツアゲにあってる我が子を撮影してるママさん、ベンチに座りながらご友人とおしゃべりに興じるお年寄などなどがたまの晴れ間を楽しんでらっしゃいました。
ガチョウはかなりアグレッシブだから助けてあげたほうがいいんじゃないだろうか、と遠巻きに眺めていたところ、背後から「Excuse me, please!」と女性の声が聞こえました。

私はちょうど階段の下に立ってたんですが、振り返ったらその女性は階段の上にいて、腕には乳児を抱えててさらにベビーカーも押してらっしゃいました。
ってことはベビーカーを降ろして欲しいのかな?と思って、特に何も警戒せずに「Do you need hand? (手貸しましょうか?)」と聞きつつ階段を上がって彼女に近づきました。
すると彼女は「悪いんだけど、ちょっとこの子のこと抱っこしてくれます?ミルクをベビーカーにぶちまけちゃってスリングにつけかえたいんだけどこの子を置く場所がなくて」と言うが早いか乳児を私にほいっと手渡してくるじゃありませんか。
腕の中には「お前誰だよ?」と私を見上げてくる乳児。
ママさんは「いやー!助かったわーありがとねー」とか言いながらそそくさとスリングの準備をしています。

このご時世に見知らぬ人に我が子を手渡せるってのは色んな意味ですごい、と思いつつ、頭の隅に「うぶめの怪」という言葉が浮かんできて、このままママさんがダッシュで逃げたら私がこの子を育てるのか…?色々無理だろ。なんて瞬時にぐるぐる考えちゃったし。
まあ、ママさんは急いでスリングをつけてるからその心配はなさそうですが、ちょっとした怪異に遭遇した気分になりました。
ずっと警戒しっぱなしの赤ちゃんは可愛かったけどね。

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